第7章 「長期・分散・積立」投資とは何か?

投資の意味を理解する

投資の基本は長期、分散、積立です。投資の基本とも言えます。それぞれ学んでいきましょう。

長期投資とは何か?

長期投資とは、簡単にいうと、長い期間のあいだ、あなたのお金を企業に預けることです。少し固い表現で言い換えると、ある銘柄の株を長期間保有し続けることです。

「「投資」とは何か?」で説明させて頂きましたが、投資の本質は成長であり、成長のためには時間がかかります。そのため、長期の投資が本物の投資であると筆者は考えます。

「投資」とは何か?

また、長期の投資のメリットは、複利の効果の恩恵を享受できることです。複利について詳しく知りたい方は、「「複利」とは何か?」をお読みください。

「複利」とは何か?

それでは、「長期」とはどれくらいの期間のことを指すのでしょうか?

1年でしょうか、5年でしょうか、10年でしょうか?

「長期」の明確な期間の定義はありません。筆者個人の考えとなりますが、長期の期間は最低でも3年くらいだと思います。投資すべき期間として「あなたが投資する企業が利益を得るために事業を行うのに十分な時間」が最低でも必要だと考えているからです。極端な例になりますが、例えばあなたが稲作の会社に投資したとします。稲作では、苗を植えてから収穫するまで最低でも半年はかかります。それなのに、3ヶ月で投資を終了した場合、その企業が事業を行うのに十分な時間とは言えません。あなたが投資した企業がどんな事業を行なっているかによって変わります。しかし、複利の恩恵を享受したいと考えるなら、1年では足りません。10年単位で考えた方が良いでしょう。

結論として、長期投資とは長い期間あなたのお金を企業に預けたままにすることです。長期に投資する理由は、投資の意味にも関わることですが、複利の恩恵を享受するためと考えて良いでしょう。長ければ長いほど、複利の効果は大きくなります。

分散投資とは何か?

分散投資とは、リスクを減らす手法です。投資における「リスクとリターン」の定義は、別記事に掲載しています。

「リスクとリターン」とは?

以下のような具体例を考えてみましょう。

企業A、企業Bへの投資を考えます。

A:リゾート経営の企業 B:傘を売る企業

晴れるとAの株価は2倍、Bの株価は1/2になります。逆に雨が降るとAの株価は1/2、Bの株価は2倍になります。

AとBの株価はそれぞれ100円とします。

①Aの株を100株買う ②AとBの株を50株ずつ買う

どちらが確実に儲けることができるでしょうか?

①の場合を考えます。晴れなら株価は100×2=200となり、あなたの資産は20000になります。しかし雨なら100×1/2=50となり、あなたの資産は5000になります。

②の場合を考えます。晴れなら株価は50×2+50×1/2=125となり、あなたの資産は12500となります。雨でも50×1/2+50×2=125となり、あなたの資産は12500となります。

よって、答えは②です。

ポイントは、リターン(期待値)は同じですが、リスク(期待値の揺れ幅)は異なるということです。

リターンはどちらも12500円です。しかし、リスクは①で5000円から20000円までの幅があり、②では必ず12500円になります。

私たちが行うのはギャンブルではなく、投資です。投資では、リスクを最小限にしてリターンを高めることを目指します。

このように、複数の企業に投資することで、リスクを減少させることを、投資では「リスクの分散」と表現します。次に紹介する積立投資は「時間のリスク分散」とも言われています。

今回の例では、2つの企業の相関係数は-1と理想的な状況を考えています。相関係数については別記事で解説します。

社会の複雑な情勢を正確に予測することは困難ですが、様々な企業に同時に投資しておくことで、リスクを最小限にすることができます。リスクには様々な種類がありますが、リスクの種類については別記事で解説します。

次は積立投資について考えます。

積立投資とは何か?

積立投資とは、一定期間ごとに定額(あるいは定量)で金融商品を購入することです。

例えば毎月2万円で株式を買うことも積立投資ですし、毎月ある会社の株式を1万株購入することも積立投資です。

毎月定額で購入することを「ドルコスト平均法」と言います。ドルコスト平均法について考えていきます。

毎月定額で購入するメリットは、なんでしょうか?

理由の一つとして、無理なく続けられるということもあるでしょう。100万円を用意するのは大変ですが、毎月2万円で2年間続けるなら、無理なく続けられると感じる人は多いでしょう。

しかしより大きな理由として、積立投資はリスクを減少させることができることがあります。なぜなら、株は価格が日々変動する金融商品だからです。

例えばある会社の株式が1万株あたり10000円だったとします。あなたが100万円で一度に購入して、100万株手に入れたとします。しかし、次の月に1万株あたり9000円に価格が落ちたとします。そうすると、あなたは少し後悔するでしょう。その次の月には1万株あたり11000円、その次の月は1万株あたり8000円、というように変化していきますが、毎月の株価を正確に予測することはできません。「株を安く買うことができるのか?」については別記事で分析しています。

株は安く買えるのか?

つまり、その時にその株価が高いか安いかはわかりません。もちろん安かった場合は得をすることになりますが、高かった場合には損をしてしまいます。毎月定額で購入することで、この毎月の価格変動による「リスク」を減少させることができるのです。

長くなりましたが、以上で長期・分散・積立投資の説明を終わりにします。

次回は余裕資金について解説します。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

参考サイト

「投資の時間」日本証券業協会 https://www.jsda.or.jp/jikan/ctb/

参考文献

「ウォール街のランダムウォーカー 原著第12版」バートン・マルキール、井出正介訳、日本経済新聞出版社

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