2021年秋に、私は投資信託商品を全て売却しました。
そこまでに至る過程と、その理由を詳細に解説します。
2020年夏から投資信託を開始

私は2020年夏から投資信託で積立投資を開始しました。
ノーロード(買付・売却手数料無料)で管理手数料の安い世界インデックスファンドを選びました。
以下の記事でも書きましたが、私はウォール街のランダムウォーカーを非常に信頼していたので、購入したものはずっと保有し続けようと考えておりました。
しかし熟考の結果、2021年秋に全て売却してしまいました。
私が2021年秋に投資信託商品を全て売却した理由

世界の経済成長率(1人あたり1年間あたりのGDP成長率を指標)は、平均すると年率+2%です。世界インデックスファンドのリターンはそれより高く、年率+4-5%程度とされておりますが、これは優良企業の集まりだからと考えています。
それなのに、新型コロナウイルスで株価が暴落する前の株価から、現在に至るまで+30%を超えており、1年でこの値は明らかに異常だと考えます。つまり、今はバブルであると考えられます。バブルの定義は、ここでは「実体経済以上に株価が度を越して上昇した状態」とします。「度を越して」とは、+20%以上と考えます。バブルの頂点かはわかりませんが、バブルの状態ではあると考えます。過去にはいくつもバブルが生じてきました。バブルがなぜ生じるかは、別記事で解説しますが、行動経済学で人間のバイアスによるものだと考えられています。
よって、今がバブルの状態であれば、1年後になるか、2年後になるかはわかりませんが、いずれ株価は下降します。反動で暴落がやってくるかもしれません。
その根拠は、これまでの世界の経済成長率は平均して年率+2%だったのに、それに対して株価の上昇率が高すぎるからです。この考えは効率的市場仮説に反していますが、私は今後株価が下降すると思います。効率的市場仮説が当てはまらない場面であると考えています。
よって、今後5年以内に株価が下降するとして、もちろんその後にまた上昇するでしょうが、私が取れる選択肢は3つありました。
1 株を持ち続ける
2 株を一部だけ売却する
3 株を全て売却する
この中で、私は「3 株をすべて売却する」を選択しました。
解説していきます。
出口戦略をどうするか?

まず理解していただきたいのは、インデックスファンドの出口戦略についてです。
インデックスファンドも、最終的な目的は換金です。換金して、私たちの生活を豊かにすることが目標です。最終的に換金するタイミングで、もし株価が暴落していたら、目も当てられないことになります。最終的な株価が最も重要です。
例えばemaxis slimオールカントリーは、今基準価額が16000円程度ですが、今後10年間でさらに上昇して20000円になっても、その1年後に暴落して14000円になって、その時にあなたが換金しなくてはならなかった場合、-12.5%の損失となります。途中でいくら株価が上昇しても関係なく、最終的な金額が重要です。
そのため、毎月株を購入するのと逆の行動として、売却したくなったタイミングから毎月定額で売却するという手段もあります。しかし、常に暴落の心配は残り、せっかくコツコツ積み立てても利益を逃してしまう可能性があると思います。
そのため、私は残りの投資期間が10年程度になったら、バブルが来たタイミングで株を一括売却して、資産運用としての投資を終了するという選択肢を推奨します。
含み益は幻なのか?

含み益とは、保有する株価の価格が上昇して、今売ったらいくらの利益かを計算したものです。実際に売却すれば、その利益を得ることができますが、その時に売却せず、株価が下降した後に売った場合、その利益を得ることはできません。そのため「含み益は幻」という格言があるのです。
含み益を幻にしないための戦略は、当然ですが、含み益がある時に売ることです。
私は株を売却した後に改めて調べたところ、私と同じような意見を述べているサイトを見つけました。
@含み益を幻にしない、積み立て投資の出口戦略―楽しく増やす!「北澤式」資産運用術https://moneyworld.jp/news/05_00040598_news
こちらでは、利益が20%を超えた場合に3割売却するという手法を解説してくださっています。割合は好きに変えると良い、とも仰っています。
複利の力を利用するには、含み益をそのまま投資するのが良いですが、しかし来年も同じようなリターン(利率)が得られるとは限らず、逆に減少すると考えたほうが良いでしょう。なぜなら、大きな経済成長が得られた年は、多くの人はバイアスの効果で次の年も同じようにリターンが得られると考え、投資に多くのお金が集まります。このバイアスが大きいときはバブルが発生し、株価は異常な高値となります。逆に経済成長が乏しいとしは、多くの人がバイアスの効果で次の年も悲惨になると考え、投資から多くのお金が散っていいきます。
よって、この現象からわかることは、大きな経済成長が得られた年は、株価の上昇は経済成長によるものだけでなくバイアスも含まれていると考えるべきであり、そのような年は株を売却するのが賢い選択と言えるでしょう。逆に経済成長が乏しい年は、株価の下落には同じようにバイアスも含まれていると考えるべきであり、そのような年は株を購入するのが賢い選択と考えられます。
含み益が明らかに多すぎる時は、バイアスも含まれていると考えて売却する。
逆に含み損が大きいときは、同じようにバイアスも含まれていると考えて購入する。
これが、現時点での株価売買の真理だと私は考えます。
今後バイアスの認知がより一般の方に広まれば、バブルなどの現象は起きにくくなり、同じ手法は通用しなくなるとは思いますが。
以上から、現時点で含み益について言えることは、バブルと考えられるほど含み益が多ければ売却するのが良いと考えます。
「株を全て売却した」根拠

より詳しく、具体的に解説します。
現状がなぜバブルと考えたか、そして売却が本当に正しい行動なのかを考察していきます。
まず、現状がなぜバブルと考えたか?を考えます。
現状はバブルな状態と考えます。なぜなら、経済成長率と株価の上昇率が乖離しているからです。そのため、今株価の値にはバイアス(過度な期待で)によって投資する人が多く、実体経済以上の株価となっていると考えます。これからどのくらいの期間の後に下落するかはわかりませんが、いずれ下落は来るでしょう。バブルだと判断する具体的な方法については、以下の記事で詳細を述べています。
次に、売却は正しい行動なのか?を考えます。
私の株は、+25%程度となっていました。もし売却すると、税金は約20%なので、利益は+20%程度となります。つまり、売却した場合、投資している金額の5%のマイナスが生じるということです。
よって、今後5%以上の株価の下降が予想されるなら売却したほうが良いことになります。
先ほど説明しましたが、株価はコロナ前の最高値から+30%以上の上昇となっており、経済成長率と比べて高くなりすぎていると考えました。本来なら+10%程度のはずが、20%以上も高い値になっていると考えられ、今後-20%はあり得ると考えました。
そして、これも重要なポイントですが、今後しばらく株価が上昇するとしても、売却して利益が確定するなら、大きな間違いではないのではないでしょうか。
そのため、今売却するのは合理的な行動と考えました。
ただ、心残りなのは、私は今後も投資を続ける予定なので、何割かだけ売却するという選択肢もよかったかもしれないとは感じています。これについては別記事でも触れています。
@含み益は幻なのか?
利益を確定させてもまた同じ金融商品に投資するなら、結局税金の20.315%だけ損しただけになるからです。そのため、バブルの時に売却するのは正しいと思いますが、その割合は個々人の年齢やライフプランで変わってくると思います。
主張のまとめ
・バブルなら売却するのは、バブルの株価にはバイアスが含まれているから。
・つまり、実際の株価の価値以上の価格になっていると考えられる。
・バブルかどうかを判断するのは、経済成長率との乖離があるかどうか。
・もし売却後に株価が上昇しても、利益確定するからよしとする。
・これで含み益を幻にせずに済む。
・出口戦略として、後数年しか投資しない予定なら、バブルの時に売って投資から手を引くという選択肢もある。
・まだ投資を続ける場合でも、バブルの時に何割か売却して利益確定させておくという選択肢もある。
以上が私の主張です。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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